1995|アメリカ「 海外出張、最終日 」
【 凍った食べ物 】

はじめてのアメリカ買い付けの旅も、いよいよ最終日になりました。

前の晩は遅くまでドラマのDVDを見ていたこともあって、この日の朝はゆっくりです。

わたしたちは、車でアラモアナショッピングセンターに向かいます。

その途中、社長が左手にあった小さなショップが並んでいる場所を指差して、「ここの凍ってる冷麺が美味しいんだよね」と言いました。

確かにハワイは南国ですが、凍ってる麺とは何だろう……

甘くもないものが凍っていて美味しいとは、当時のわたしにはまったく理解ができませんでした。

時間が早かったのか、お店はまだやっていません。

「今度、来た時に食べに行こうな」

そう言って、車はそのまま通り過ぎていきました。

その後、まだまだ元気だったタワーレコードの横を通り過ぎると、アラモアナショッピングセンターが見えてきました。

しかし、わたしの頭の中には、見たこともない「凍った食べ物」が残ったままでした。

 

【 ティファニー 】

一階にある大きな駐車場に車を停めて、ショッピングセンターの中へ入ります。

一階は少し薄暗く、お土産を売っているブースなどが並んでいて、奥にはフードコートもありました。

エスカレーターで2階に上がると、左右に店舗がずらりと並び、明るい雰囲気です。

中央には、ティファニーやルイ・ヴィトンなどのブランドショップもあります。

ハワイの気候のせいなのか、モールの中にあるからなのか、日本で見るブランドショップよりも入りやすい雰囲気でした。

カジュアルな服装のお客さんも多く、店内は賑わっています。

社長は頼まれたものがあるらしく、「ティファニー寄っていい?」と言って、ティファニーに入ります。

ティファニーには何度か入ったことはあるものの、商品をじっくり見るのはこれが初めてでしたから、いい機会です。

自分が欲しいと思うものはありませんでしたが、ターコイズブルーとシルバーの色目には、人を魅了する力があるように思いました。

それは、すでに出来上がっているティファニーのイメージによるものなのか、それとも、この2色がもともとベストマッチな組み合わせなのか。そのあたりは、わたしには分かりません。

ただ、この色を見るだけでティファニーを連想するというのは、すごいことだなと思いました。

 

【 買い物天国のハワイ 】

アラモアナショッピングセンターには、普通のモールに入っていそうなフットロッカーやGAPなどのお店もありました。

日本人観光客が多いことも影響していたのか、フットロッカーには、本土で見るよりも欲しいと思えるようなラインナップが揃っていたように思います。

GAPにもかなり安くなったセール品があって、ボーダーTシャツをはじめ、調子の良いカットソーが揃っていました。

当時の日本には、まだまだアメリカでしか買えないアイテムがたくさんありました。

そんなアメリカのアイテムを日本に持ち込んでいたのが、わたしたちセレクトショップの並行輸入だったわけです。

今では日本でも普通に買えるようなものでも、当時はわざわざアメリカまで行かなければ手に入りません。

そう考えると、あの頃のハワイが「買い物天国」と言われていたのも、なんとなく分かる気がします。

 

【 はじめてのサイミン 】

スパムおにぎりと同様、ハワイで食べたかった食事がありました。

それがサイミンとロコモコです。

昼ご飯どうする?ということになって、わたしがサイミンを食べたいと言うと、「だったら、近くのリケリケドライブインに行こう」

ということになりました。

わたしは英語の準備はまったくしていませんでしたが、ハワイの下調べはしていて、リケリケドライブインは行きたい場所のひとつでした。

ここは日本でいうファミレスのようなところですが、見方によっては、アメリカ映画で見るダイナーそのものです。

だから、ちょっとワクワクしてしまいました。

ダイナーと言ったらコーヒーなので、サイミンと一緒にオーダーしました。さすがに何を頼んでも巨大サイズのアメリカで、2品をオーダーするのは無謀な挑戦です。今回は苦渋の決断でサイミンを選択しました。

サイミンが到着すると、ガッツリした見た目に比べて、かなりあっさりした味です。

しかし、「パンチがなかった」という印象以外は、あまり覚えていません。

というのも、めちゃくちゃ美味しいサイミン専門店を社長が見つけたからなのですが……

それは何年も後の話です。

 

【 最後のアウトレット 】

オアフ島にも、空港の先のワイケレにアウトレットモールがあります。

ここが今回の買い付けで最後に立ち寄るアウトレットモールです。

ここにもラルフローレンのアウトレットがありました。

しかし、本土のアウトレットに比べて、一点ものがほとんどなかったので、仕事で何かを買うまでには至りませんでした。

また、コの字型に店舗が並んでいる正面奥には、ニューヨークにあるデパート、サックス・フィフス・アベニューのアウトレットがありました。

ここは、デパートのアウトレットらしく、ほとんどが一点もののような商品構成です。

そして、ここにはわたしサイズのブランドものが、たくさんハンギングされていました。

とはいえ、ビジネスマン風の洋服か、モードっぽいものばかりなんですよね。

そんな中に、カルバン・クラインの下着のボクサーパンツが何個かありました。

当時はカットソー素材のボクサーパンツは日本でも珍しく、ボクサーパンツといえばカルバン・クラインが主流でした。

地味な定番アイテムとして、店でも人気でしたので、数個を買い付けて、自分用にも数個買いました。

これで、今回の買い付けはすべて終了です。

 

【 ちょっとした買い出し 】

帰りは、せっかくコンドミニアムに泊まっているからと、アラモアナショッピングセンター近くにあるダイエーに立ち寄りました。

ここは超が付くほどの巨大なスーパーマーケットです。

今でこそ日本の郊外にも大きなスーパーはたくさんありますが、体育館のような高い天井のワンフロアで、これほど巨大に感じるお店は圧巻です。

大きなカートを押しながら食材を探すのが、なんて楽しいのでしょう。

そうは言っても、惣菜とビールをカートに入れても、何も買っていないみたいにスカスカです。

こうして、最後の夜に備えました。

 

【 帰国前夜 】

一旦コンドミニアムに戻って、小一時間、コンドミニアムのプールに入りました。

とても小さなプールでしたが、わたしにとってはリゾート感満載です。

アメリカはこれがデフォルトというのだから、本当にびっくりです。

プールのあとは、部屋で着替えてから、街に繰り出しました。

夕方になると、日中アクティビティをしていた観光客たちも街に繰り出して、賑やかになります。

行くところといえば、昨日も立ち寄った免税店に、お土産を買いに行くくらいです。

しかし、何度立ち寄っても飽きなさそうなワクワク感があります。

わたしは免税店でお土産を買いました。

これで、今回の旅でやりたかったことは、ほとんど終わりました。

部屋に戻ると、DVDのドラマの残り数話がありました。

それを社長と最後まで見届けながら、こうしてアメリカ最後の夜が更けていきました。

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