kengoloidの半生記 1992-1993|渋谷「クロージングと、カジュアルと」 【 部長さんから靴をもらう 】 渋谷のお店に立つようになって、まもなく2年が経とうとしていました。 時々お店を視察に来る社員や上の立場の人達も、元気のいいわたし達アルバイトを面白がってくれて、可愛がってくれるようになりました。 ある日、部長さんが、体の大きいわたしに、「昔履いていた靴をあげるから、本社に取りにおいで」と... タカハシ
kengoloidの半生記 1992-1993|渋谷「ファッションの熱病と、若き勘違い」 【 ファッションの熱病 】 相変わらず、日中は洋服屋で働き、夜はクラブ通いに忙しい毎日でした。 この頃になると、格好もすっかりアパレル人らしくなっていて、ある意味、好きなものに囲まれながら、自分の理想とするファッションを目指していられた時期でもあります。 業界人が知るブランドやアイテムは、お互いを認識出来る“サイン”の... タカハシ
kengoloidの半生記 1992|柏「レディースのお店、他社との交流」 【 デパート出店 】 ある日、わたしの働くセレクトショップに、柏のデパート出店の話が持ち上がりました。 柏駅は北関東のベッドタウンの中央にあるターミナル駅です。ここ辺りに住む人の大半は都内に通っているので、いつでもセレクトショップで買い物が出来ますが、身近な場所に出店することは、ショップとの距離感がどう変わるのか、その... タカハシ
kengoloidの半生記 1991-1993|渋谷「出戻りのヤンチャ坊主」 【 出戻りのアルバイト 】 いよいよ、元モデルのアルバイトが復帰を果たし、彼がお店にやってきました。 ダメージの効いた明るいインディゴブルーの501デニムに、キレイ目のシャツを合わせて、JMウェストンのタン色のローファーを履いたシンプルな装いです。 堀の深い端正な顔立ちに、高身長のモデルらしいスタイル、立ち姿さえも、と... タカハシ
kengoloidの半生記 1991-1992|渋谷「居場所と自立」 【 当時の価値観 】 坊主頭をきっかけに、社員さんから「坊主には、この服がいいんじゃない?」とか「これ、似合うと思うよ」などと、声を掛けてもらえるようになりました。 こうしたやり取りは職場とはいえ、洋服好きの集まりですから、共通の趣味の話題として楽しいものです。わたしは、はじめてその輪に入れてもらった気がして、嬉しくな... タカハシ
kengoloidの半生記 1991-1992|渋谷・西麻布「坊主頭の決意」 【 坊主頭 】 働き出して数ヶ月、牛歩並みのスピードですが、わたしは少しずつセレクトショップの店員らしい成りになってきたと思います。 そんなある日、バイトの友人(先輩アルバイト)がわたしに「坊主頭にしなよ、カッコいいよ」って言い出しました。元々、冗談が好きな人だし、ニヤニヤしながらこの話題を持ち出すものだから、からかっ... タカハシ
kengoloidの半生記 1991-1993|芝浦「倉庫街の社交場」 【 女子社員とか、クラブ遊びとか 】 この店は、メンズだけでなくレディースも扱っていて……いや、正確には、むしろレディースのほうが人気のあるコンサバティブなお店でした。 休憩室は男女共用となっており、休み時間は、ここで女子社員と顔を合わせることになります。先輩アルバイトは彼女達とも仲が良くって、どんな話題も面白おかしく... タカハシ
kengoloidの半生記 1991-1992|渋谷「わたしの方針、予期せぬ言葉」 【 わたしの選択 】 わたしはこのアルバイトを軸に、いくつかの仕事を掛け持ちしながら、必死に生活をつないでいました。 家ではキャベツを千切りにして食べ、ご飯を炊いてシャケフレーク。外食といえば、コンビニの肉まんといった感じです。 そんな倹約生活を送っていますが、洋服を買おうにも限界があります。 そのため、入社の日に買わ... タカハシ
kengoloidの半生記 1991-1992|渋谷「同世代のアルバイト達」 【 フランスのとあるブランド 】 当時、バイト先の会社が交渉を重ね、ようやく日本出店にこぎつけたフランスのブランドがありました。 肩パッドのないアンコンジャケットに、太くて裾の細いボトム。そのボトムの丈は短めで、裾は4cm以上もあるダブルに仕上げます。足元は、少し大きめのオールデンのチャッカーブーツやプレーントゥで合わ... タカハシ
kengoloidの半生記 1991|渋谷「ショップスタッフ、新人が感じる現実と魅力」 【 アルバイト初日 】 紆余曲折あり、ついに念願だったアパレル業界の初日を迎えました。指定された時間より少し早く店に着き、わたしはひとり、入口の前で開店を待っていました。 しばらくして、店長が中から出てきてわたしを、開店前の店内に入れてくれます。 わたしは混んでいるお店しか知らないので、静まり返った店内は神聖ささえ感じ... タカハシ