第2回「小学生と流行」
【 小学生の流行 】

前回は「内輪ノリ」とか「自分の好き」でファッションを楽しんでいますよって話で終わりました。

昭和の小学生の流行りなんかは、まさに純真な気持ちで始まるコミュニティで、基本が「内輪ノリ」です。そんな振り返りをしてみたら、流行の構図がありました。

一般的な小学生の場合、TVに出てる人や、インフルエンサー的な先輩や兄姉、同級生にインスパイアされて、同じアイテムや似たモノを身につけて、同化を試みます。これが増殖すると、校内の流行りになるんですよね。

メディアと内輪ノリが、上手く混在しています。

【 まずは脱ランドセル 】

何個か思いつく当時の流行りを例に取ると、まずは脱ランドセルです。代わりにキャンバス地のショルダーバッグを持つのが流行っていました。高学年になるにつれ、ショルダーバッグ所有の割合が増えていきます。ブランドは特に決まっていませんが、暗黙のルールとして、斜め掛けは本気感があってNG! ベルトを長くして片側に掛けて持つのがクールとされていました。これはベーシストのストラップ長めと似た美学なのでしょうか?

また、脱ランドセルは自立心が芽生えましたね。わたし自身も2年生で脱ランドセルをしましたが、すこしだけ大人になった気がして嬉しかったです。若いうちは、背伸びをして身につけるアイテムって多いですよね。

【 スポーツブランドブーム 】

そして、めちゃくちゃ流行っていたのがスポーツブランドです。

その源泉は70年代のアメリカで、例えばサンタモニカでローラースケートをしてるイメージですね。当時の人気アイドルもこの流れを汲んでいたはずです。

このぼんやりとしたイメージを身近で買える物で独自に表現したのが小学校の流行です。その流行は校内ヒエラルキーを決定付けるツールのひとつでもありました。(ここは男子目線だけで語っていますが)とにかく昭和の小学生は運動神経の良し悪しが重要なファクターですからね。

【 運動神経の良い先輩 】

流行りの火付け役は、大体がイケてて運動神経の良い先輩です。アディダスのTシャツや、アシックスの靴下、そして同スニーカーの流行りは、まさに先輩の着用で流行りました。

たぶん、それを身につけて「運動神経あるオーラ」に、あやかろうとしたのでしょう。その結果がアディダスのTシャツ(マークとロゴがグラデーションになっているプリント物)と、アシックスのラインハイソックスでした。アシックスのライン入りハイソックスは、白い靴下の流行を、校内男子の中で一本化させました。それほど流行ったんです。

【 白いハイソックス効果 】

また、白いハイソックスは、男女問わず、イケてる小学生のファッションアイテムでした。親に任せると、スネくらいの半端丈の靴下を買い与えられちゃいますからね。

つまり、自分の意思がないと、白いハイソックス入手出来ません。これはオシャレ意識の芽生えですね。

70年代から80年代はじめは、経済成長のクリーンな一面と、庶民的なドヤ感が混在していた頃です。

当時の小学生はこの格差に過敏に反応して、少しでも不潔そうなものに、エンガッチョ(エンピ)と言ってバリアを張りながら、クリーンサイドに居ようとしました。

そこで、欧米のライン入りソックス人気と、清潔感のコンボで流行を冗長したのでしょう。

【 アシックスタイガー 】

そして、Tシャツ、ハイソックスと来たら、足元はアシックスのスニーカーです。これは月星のジャガーやジャガーシグマを卒業した中・高学年の小学生男子がこぞって履いてました。当時のアシックスはアメリカの都市名のモデルが多くて、紺色のボストンは、もはや高学年の標準靴のような状態です。

ほかにも「あいつはミネソタ履いてる」とか「誰々がネバダ買ったね」「先輩でニューヨーク履いてる人いるよ」など、みなスニーカーにはしっかりアンテナを張ってましたね。

この経験は、のちの(わたしの)スニーカー好きに繋がっているのだと思います。

今と違って、発売期間は長いですから、ひとつひとつのモデルと向き合う時間が長いんですよね。トゥの形状、ソールやミッドソール、そしてカラーバリエーションにも詳しくなりました。

まぁアシックスが今まさに巷で流行ってますが、人気なの分かります。当時っぽいアシックスを履いている人見ると、「おっ、いいね!履いてみたいなぁ」て思います。

【 キャプテン翼による転換期 】

自分達がいよいよ高学年になって、校内の流行りを牽引する立場になる頃、キャプテン翼の連載がはじまっていました。このマンガは学校内のスポーツブランド人気に拍車をかけたと思います。

このスタイルはそのまま取り入れられましたから、ネタの宝庫って感じです。

例えば、いままで校内を席巻していたアシックスのラインソックスから、膝下で折り返すサッカーソックスに人気は二分していきました。

また、アディダスのキャップをかぶる小学生も増えました。もちろんキーパー若林くんの影響です。

とはいえ、キャプテン翼まんまの格好より、別カラーや、ちょっと違うモデルを身につける人が多かったです。そのままだと、(小学生ながらに)芸がないって感じてたんでしょうね。

キャプテン翼の影響は受けず、自分のセンスで選んでマスって防衛線を張ってたのかも知れませんが、確実に影響されてますよね。

もちろん、まんまが欲しいけど、完売だったから妥協して色違いや別モデルってケースもあったでしょうね。こうして、キャプテン翼のモブキャラみたいな小学生が増殖していきました。

【 当時の小学生、流行の構図 】

昭和の小学生の流行は校内でのステイタス確立がメインテーマだったと思います。

今みたいに、アイデンティティを打ち出したところで、イジリの対象になってしまいますからね。似た格好が多くなって、ヒエラルキー高めの小学生が新たな流行りを切り拓いていく……

これは、今後にわたしが語りたい最終結論に近いかかってくるのですが、上手く言語化出来ないので、この考察を重ねながら、まとめたいと思っています。

流行りの構図はシンプルです。

こうして、小学校という小さなコミュニティの中でイノベーター理論も形成されているのですね。

 

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